克服

今日は歯医者に行った。1ヶ月前に行った時は調子が悪くて進められなかった治療、どうしても克服したくて色々自分の中で分析をしてリハビリをしてみた。

自分は「初めて使う薬品」に対して異常に恐怖心が強く、市販の薬でも簡単に試したりすることができない。成分を調べてどのように作用するのか、副作用があるのかを調べて納得しないと使うことができないのである。これはおそらく薬嫌いの母親の性質が影響してそうではあるんだけど、昔から風邪をひいたりしても風邪薬を使ったことがなく、病院で処方された薬以外はあんまり飲んでいない。

その恐怖心がパニック障害になってから倍増されてしまい、パニックの治療に使う薬すらなかなか飲めずに症状を悪化させてしまい本末転倒になったこともあった。しかし主治医の先生いわく、薬は非常に効きやすい体質ではあるらしい。

パニックになる前はなーんとも思っていなかった麻酔に対して、むしろ楽だからどうぞブスブス打ってくれ〜と思っていたくらいなのに、アレルギーが出たらどうしようだとか、気分が悪くなったりしたらどうしようとか、とにかくあれこれ考えてしまうようになった。2年前のクリスマスに意を決して打ってしまったものの、打った直後の動悸から発作を起こしてしまい見事にトラウマになった。しばらくそのトラウマと格闘しながら麻酔を打ってもらっていたものの、調子の悪い時は出るかもしれない発作の恐怖と戦うのが非常にしんどく、歯医者自体をキャンセルしてしまうことも増えてしまった。

このままだと治療が進められないので、そのトラウマについて相談したところ、先生からは「動悸が精神的な原因じゃない場合は、麻酔にアドレナリンが入っているからかもしれないので、アドレナリンの入っていない弱めの麻酔で試してみるのも一手かもしれない」という回答をいただいた。わざわざ論文まで調べていただいたらしく、アレルギーが発現したという論文は見つからなかったから確率としては相当低いです、と言ってもらった。自分は科学的根拠のあるものに対しては納得しやすい人間なので、その言葉を支えに、今日は打ってもらう、大丈夫だという気持ちで行った。

また、へんてこりんなリハビリの方法ではあるが、「アレルギーが起こったらどうしよう」と過剰に心配しているものをあえて使ってみたりした。初めて使うスキンケア用品や、軟膏など。「アレルギーが起こったらどうしよう」を「アレルギーは起こらなかった」に結論づけていき、少しずつ不安感を取り除いていった。

これが結構有効だったようで、今日は麻酔を打ってもらう前にもう腹が決まっていたし、逃げ出したいとも思わなかった。自分は思い込みの強い性格なので、「大丈夫じゃん」と思ってしまえばあとは楽だと思う。結果、打ってもらった後にやはり謎の取り乱しはあり、歯科助手さんに手を握ってもらったり、休憩させてもらったりと迷惑はかけてしまったが、「不安な中、頑張って治療しにきてくれてありがとうございます」と言ってもらった。まさかそんなことを言ってもらえるとは思っていなかったので、あまりの優しさに涙が出そうになった。先生もこれで一山越えれたねといったような表情で、自分が頑張ることによって色んな人が喜んでくれたり、安心してくれて、本当にいい歯医者さんに巡り会えたなと思った。

また来月も同様の治療になると思うけど、先月に比べてかなり自信はついたと思う。メンタルクリニックの主治医の先生にも「麻酔クリアできた」と報告できるのが嬉しい。来月も頑張っていきたい。