歯医者アタック/長所と短所

おおよそ4年前から歯医者アタックを続け、最初は歯医者に行く道中で気分が悪くなっていたのが、クリニックの中で待てるようになり、次に診療室に長居できるようになり、さらに簡単な治療を受けられるようになり、歯石取りや麻酔の使わない治療なら特に緊張せずに行けるようになってきた。

が、麻酔だけがいまだにヒョイっと超えられるハードルの低さになっていない。昔、跳び箱の前で、超えられそうな高さの箱を行けるか行けないかで地団駄を踏んでいたが、今全く同じことをしていると思う。絶望するほどの高さではないが、その先にあるものを信じないと、勇気がないと超えられない。

去年、麻酔を克服したと記事を書いた。その時は克服したと思えたが、厄介なのはその時の成功体験が続かないことだ。自分の体調には波があって、その時の睡眠時間やメンタル、胃腸の調子などがそれを左右している。前は行けても今日はダメだったということが非常によくある。

昨日は今日こそ悔しい思いをしたくない!と思って、相当な覚悟をして行き、横で気紛らわしにテレビも流してもらったが、表面麻酔を塗ってもらった時にザワザワとしてきて「ああダメだ」となり、中断になってしまった。歯医者さんは基本的に自分の気持ちが整ったら治療を進めたらいいというスタンスで、無理強いすることなく見守ってくれているが、その優しさが逆に苦しかったりもする。

思うに結局注射が苦手なのだと思う。注射には昔からトラウマがある。しかし麻酔針の細さなんて知れているし、腕に刺すぶっとい注射に比べればなんてことはない。だけど「刺される」と思って身構えてしまうのがダメなのだろう。

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パニック障害の症状に加えて、元来のこの慎重すぎる性格が心底嫌になる時がある。「石橋を叩いて叩いて、叩きまくって渡るイメージ」と言われたことがある気がするけど、嫌な部分での慎重さがより増強されている。怖がりは5倍増しで怖がりになっているし。

しかし、デザイナーとして活動しているとこの考え込む性格がおおよそプラスに働いているように感じる。デザインをする前にうんうんと考え込むことや、言葉遣いに気をつけたり、これを言っては失礼か、などと悩むことである。クライアントさんに「絶対に不快に感じる言葉を言わないですよね」と言われたこともある。それはたまたまで、どこかで人を傷つける言葉を放っているかもしれないが、対人と話す時は言葉にはかなり気をつけていると思う。

慎重さがプラスになって自分を助けることも、自分を苦しめることもあり、昨日は自分で自分を苦しめたなと思う。もっと楽に生きたいと感じることもある。必要な場面では慎重さを解放することも必要だし、そういう訓練ができるようになりたい。