
久しぶりにポエムを書きたくなった。
最近、ふと「自分、頑張ってきたなあ」と思った。フリーランスとして働き始めて去年でそこそこの年数(7年)が経って、そのきっかけとなったパニック障害になって、もうすぐで9年。完全体になったわけでもないけど、ずいぶん心に余裕が出てきた気はする。
10年前の22歳は、常に焦りと不安でいっぱいだった。「とにかくいつかすごいデザイナーになりたい」「認められたい」という気持ちが先走って、自分の強みも弱みも何も分かっていなかった。あるがままの自分よりも、「すごく見られたい」という虚栄心の方が強かった気がする。今思えば話に合わせて小さな嘘をついてしまうこともあった。今思えばみっともないが、とにかく焦っていたのだと思う。
焦りの原因は自分のバックボーンのなさだった。当時インターネットで見かける自分と同年代のデザイナーの人は、自分より遥かに先を行っていて、経験を積んでいて、フットワークが軽い人ばかりで、それに比べて一歩踏み出すのに悩んで悩み抜いて立ち止まっている自分とは全然違うと思った。芸大に行ったわけでもない、美大を出たわけでもない、ただインターネットに齧り付いて独学でデザインを学んだ自分はもっとすごくならなければいけないという焦りが強すぎて、空回りしてしまっていた。「22歳なんてもう若くない」と、ずっと思っていた。今思い出してなんだか心臓が痛くなってきた。
焦りと不安に追われた結果がストレスとなり、パニック障害の発症に繋がったのだと思う。そのことが余計に自分を惨めな気持ちにさせ、好きで頑張っていることがストレスになって動けなくなるなんて…と、涙が出てきて仕方がなかった。「ここで動けなくなりたくない」とパソコンに向かうたびに動悸と眩暈がした。そんな日も、今思えば昔のことのように思える。
過去に何回かブログで書いたが、その時聴いていたのがももいろクローバーZの「白金の夜明け」だった。この曲を聴くとずっと当時を思い出して苦しくなって悲しくなってドキドキしていたけど、この間久しぶりに聴くと、なんだか余裕を持って、過ぎたことのようにさらっと聴けた。そしてその時に思った、「ああ、自分、頑張ってきたな」と。
強い人になろうとして
弱い僕を封じ込めて
ひとりぼっちになった
夜明けに生まれかわろう
正直な自分こそがプラチナ
ワルい夢から目覚めたら
サエナイ寝ぼけ顔を
ジャブジャブジャブ洗い流そう
この曲の「正直な自分こそがプラチナ」というフレーズがとても好きなのだけれど、この10年で、自分は自分の弱みと向き合い、受け入れることができた。それは大きな変化だったのだと思う。苦しくて情けなくてみっともなくて消えたいこともあったけど、それも含めて自分の一部で、全部じゃないんだ、と思うことができた。仕事にしても、出来ること、出来ないことと直面して、出来ることを伸ばそうと思えた。遅咲きでも、時間がかかっても、決して無駄ではなかったのだなと思う。
何かを成し遂げたわけでもないし、病気が治ったわけでもない。だけど、そう思えるようになっただけで、良かったのだと思う。ただ、そう思った。