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kewpie's blog

日常のことが多め。

美の暴力

アイドル

最近、ふと夏らしい曲が聴きたくなって、曲を巡り巡っているうちに乃木坂46にたどりついた。乃木坂46、アイドルが好きなのにいままであまり聴いていなかった。なんだかルックスも曲もなにもかもが綺麗すぎて、隙を見つけられない。自分は隙があるものが好きだと思い、勝手に敬遠していた。

聴いた曲は「君の名は希望」という曲だ。イントロは何度もテレビで耳にしたことがある。ピアノの音色がさらりと耳に馴染んで、その清涼感に夏らしさを感じられる。サビも抜けのいいメロディーで、聴いているうちに気分はどんどん良くなっていった。

そのうちに音源ではなくてライブ動画を見たいと思い始め、動画を探していた。ライブ動画にはいくつかこだわりがあって、カメラワークとか照明とか振り付けを踊っているかいないかとか、いろいろ気にしてしまう。できればその曲を一番表現できている動画を見たかった。

たどりついた動画を見て少しびっくりした。生歌だ。生歌であることなんて少しも珍しくないけど、この曲の生歌を初めて聴いたので思わず感動してしまった。曲がその場に生きている。真空パックのように音が封じ込められたCD音源ではなく、その一瞬にしかない感情が吹き込まれていた。

そうして見ているうちに、メンバーの表情に惹きつけられてしまった。テレビではあまり見ることのない、高揚しきっている表情だった。テレビではいつもあらかじめリハーサルされた表情を披露しているように見えて、それが余計に隙のない印象を与えていた。それがライブでは、感情が隠しきれない隙だらけの表情を見せている。MVの世界では作り込まれたマネキンのように踊っていたメンバーが、マネキンさはそのままに、生きた人間として動いている。当たり前のことなのに、いたくそれに感動した。

そのまま関連動画にあった「気づいたら片想い」のライブ動画を見た。立ち位置から恐らく「君の名は希望」のあとに歌ったのだと分かった。この曲もサビだけしか聴いたことがなかったけど、テンションがハイになっていたので何も気にせずに視聴した。

イントロの息が詰まるような切迫感に、一瞬で「この曲はすごい」と思った。ストリングスを使ったアレンジとメロディーが美しい。いつもは男性視点なのに、珍しく女性視点の歌詞が曲にどんぴしゃにはまり、女性グループにしか持ち合わせていないどことなく湿度のある空気感が絶妙にマッチしていた。 メンバーの表情も美しい。イントロが終わってすぐの生駒里奈さんの表情を見て変な声を上げ、何度も巻き戻して見た。誰よりも曲に入り込んでいて、ドラマの世界を見ているようだった。

メンバーの一人一人をアップで抜くカメラワークと、限りなくシンプルな照明が曲を余計に引き立たせていて、見終えたあとにため息をついてしまった。なにもかもが隅々まで美しかった。ルックスも、曲も、衣装も、綺麗すぎて、隙がなさすぎて敬遠していたのに、それら全てが恐ろしいほどに光っていた。これが乃木坂46の武器なのか…と思わざるをえなかった。

敬遠していたものに近づいてのめり込んでいくのは、あまり好きではないのだけど何度か経験していた。今回もまたその罠にはまってしまい、やっぱりアイドルは恐ろしい存在だと思い知らされた。好きではないふりをしたって、なんらかのきっかけで簡単にはまり込んでいってしまう。だからアイドルは侮れない。乃木坂46は美しくて、恐ろしい。